御柱祭を彩る10 「一六会」下諏訪町

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「安全第一で建てたい」とする一六会の建て方委員長、松尾今朝男さん

「安全第一で建てたい」とする一六会の建て方委員長、松尾今朝男さん

社殿の周り四隅に、天に向かって建つ御柱。里曳き最終日の5月16日、下諏訪町が担う春宮三之御柱と秋宮四之御柱の建て御柱を担当するのは地元の「一六会」だ。会員はとび、土木、建設などに携わる自営業者が中心で、御柱祭のとき以外に目立った活動はしておらず、建て御柱の作業が中心の団体。このときばかりは皆が息を合わせ集中する。

車地を使うなどして昔ながらの方法で建てるのが特徴。境内の氏子たちの目線は、にぎやかな木やりやラッパ、それにゆっくり立ち上がる御柱と、その乗り手に注がれる。建て方はいわば裏方になる。

会が発足したのは約40年前。それまで諏訪大社の営繕などに携わっていた町内の業者がなくなり、その仕事を受け継ぐ形で、この業者に協力していた人たちが結成した。発足当初の会員は16人。毎月16日に会合を持つとして「一六会」と名付けた。

現会員は20~70代の26人。年齢層は幅広く、複数建て御柱を経験したベテランから、父親から技術を受け継いだ2代目、3代目の会員たちも少なくない。建て御柱で使う器具は普段倉庫に保管。次の御柱祭まで、車地を点検したり、ワイヤのさびのチェックなども行っている。

一六会が建て御柱をするのは今回で6回目になる。指揮を執るのは建て方委員長の松尾今朝男さん(68)=同町小湯の上=だ。「私たちは祭りの中の黒子。安全にスムーズに建て御柱をしたい」と話す。正会員のほか、応援隊を得て計約50人が連携して作業に当たる。松尾さんがそれぞれの役割担当責任者に、手でサインを送り作業を進めることになる。

安全を最優先する。柱の乗り手には「安全帯を使用、乗るための道具は自分で用意し、自己責任を胸に、乗ってもらわなくては」。自分たち建て方の安全のほか、周りの氏子の安全にも目を光らせる。本番前に、入念な打ち合わせをして当日に臨む計画だ。

長野冬季五輪(1998年、長野市)の開会セレモニーの建て御柱にも参加。名古屋城本丸御殿(名古屋市)の柱建てイベントの出演も頼まれた一六会。松尾さんは「普段やることのない特殊作業になる。万全を尽くしたい」。こう言って気を引き締める。

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