2018年04月06日付

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桜は開花が早かった。汗ばむような陽気が続き、速度を緩めることなく満開まで突っ走った感じがする。だが、まだ4月の第1週。あまりにも早い季節の進行で、計画とスケジュールで動いている世の中が追いついていかない。この時期、花と連動させた行事は多く、地域経済には厳しい春になるかもしれない▼高級家具や工芸品などを作る工房で、木材として使われる桜の板材を見たことがある。職人の話だと、ピンクがかった明るい色が特徴のようだ。素材として使われるのはヤマザクラの系統で、公園で花見客を楽しませてくれる種類とは違うらしい▼地元の木材を地域の資源として積極的に使っているこの工房では、桜の板材を木の色や木目を生かした個性的な木工製品に生まれ変わらせる。治具を使って作られる製品は、形は同じでも一点一点表情が異なり、商品価値が上がっている▼ある職人から興味深い話を聞いた。入荷する伊那谷周辺の桜の木から切り出した板材は、なぜか緑色っぽいものが多いという。土のせいなのか、気候のせいなのか、あるいは木の種類が違うのか、そこには素材をたくさん見ている職人が違いを感じる何かがありそうだ▼木材に地域特性のようなものがあればおもしろい。地域の森林資源を上手に使えば山に手が入り、林業振興にもつながる…。山の中で花を咲かせる桜の姿を想像しながら、ふとそんなことを思った。

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