県内初の「市民後見人」に 伊那の川手さん

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認知症や知的障害など判断力が十分にない人の権利と財産を守る「成年後見制度」で、地域住民が後見人となる「市民後見人」に、県内で初めて伊那市西箕輪の川手俊美さん(58)が選任された。上伊那地方8市町村が共同設置する上伊那成年後見センターが開く養成講座の出身。川手さんや関係者は「これを契機に後見制度や市民後見人への理解や関心が深まれば」と期待している。

成年後見人は家庭裁判所が選任し、県内では親族以外の第三者が全体の6割を占める。内訳は司法書士や弁護士、法人としての社会福祉協議会(成年後見センター)、社会福祉士などの専門家で、市民後見人の選任例は今までなかった。

一方で後見の需要増加や老人福祉法の改正などにより市民後見人の関心は高まり、県下では2014年度に上伊那と上田、昨年度からは松本で養成講座が始まっている。

川手さんは講座の第1期生で、修了後の昨年度からは上伊那成年後見センターで法人後見業務の「支援員」として活動。現金の出し入れや支払いなど財産管理に携わり、対象者の支えとなってきた。

同センターは川手さんを後見人として伊那家裁に推薦し、4月26日付で選任。独り立ちした「市民後見人」として業務が出来るようになった。当面は現在の仕事を続けながら、同センターが後見人となっている1人分の業務を引き継ぐ。

少子高齢化などにより成年後見の需要は増加。同センターでも発足時の11年度に6件だった後見業務が現在では53件にまで増えており、矢澤秀樹所長は「専任2人、兼務1人の職員で対応しているが、これ以上の受け入れは難しい。市民後見人として活動してくれる人が1人でも増えれば助かり、サポートしていきたい」と説明する。

以前は飲食など接客の仕事をしていたという川手さんは「市民後見人は必要なのに、専門知識も必要でサポートがないと難しい。私自身、福祉の仕事は今回が初めて。センターと協力しながら、後見される側の立場になって取り組みたい」と話した。

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