自然の色纏う源氏物語 岡谷蚕糸博物館

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来場者に作品を解説する吉岡幸雄さん

岡谷市の岡谷蚕糸博物館で19日、企画展「自然の色を纏う―吉岡幸雄の世界 源氏物語の彩」が始まった。京都市の染織家、吉岡幸雄さん(71)が再現した「源氏物語」に描かれた王朝人の衣装など約50点を展示。すべて植物染めで再現したきらびやかで透明感のある色彩が来館者を魅了している。

吉岡さんは京都市の「染司よしおか」5代目当主。古代からの伝統色の再現に取り組み、シルクロードの終着点として残る正倉院御物をはじめ、薬師寺や東大寺、法隆寺などの染織を復元してきた。「源氏物語」1000年紀の2008年には、54帖に沿って往時の染色法そのままに再現した。これらの功績で京都府文化賞功労賞、菊池寛賞、NHK放送文化賞などを受賞。主な著書に、「日本の色辞典」「『源氏物語』の色辞典」「日本の色の十二カ月」(いずれも紫紅社)などがある。

展示されているのは、源氏物語54帖のうち「桐壺」「若紫」「花宴」「絵合」「玉鬘」「若菜上」「幻」など12帖で描かれた装束を再現した衣装や染織作品。「桐のかさね」「光源氏の衣装一式」「「紫の上の衣装」「明石の姫君」などの作品と共に、染めの材料とした「支子(クチナシ)」や「蓼藍」「刈安」「日本茜」などを紹介している。観賞した岡谷絹工房の関係者は「色に対する感性がすごい。鳥肌が立ちます」と感激していた。

初日は吉岡さんの講演やギャラリートークもあり、自ら作品について来場者に解説した。取材に吉岡さんは、「日本人には四季の移ろいの美しさに対する感性がある。色の重なりで桜を感じ、紅葉を感じた」とし、「絹は最も美しい色を出せる素材。往時の特に女性たちが何を考え、季節の色を楽しんでいたのか思いをはせてもらえれば」と話していた。

同展は5月27日まで。29日午前9時30分からは「シルクフェアinおかや」関連イベントして吉岡さんのギャラリートークがある。問い合わせは同館(電話0266・23・3489)へ。

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