2018年04月29日付

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伊那市日影の国道361号沿いに「ヒナタヤ」という名前の雑穀料理教室がある。ひかげに、ひなたや?。主宰する中村美紀さんに尋ねてみるると、「日が良く当たるから影ができる。日だまりの地だからですよ」と教えてくれた▼日影、月影、星影…。影は元々「光」の意味だった。地名由来を調べてきた日影区のグループも、日が当たらない「陰」ではなく、日が当たる、光の「影」から名が付いたと推察した。光と影、明と暗│。いつからだろう、「光と影」と物事の対比で使われるようになったのは▼日影区の東にある高遠はいま、花の丘公園の八重桜が盛りを迎えている。花を切り口にした通年観光を目指して平成元年に旧高遠町が整備した。当時、24団体・約300人の住民の手で植樹をした▼遠照寺のボタン、しんわの丘のバラ、ポレポレの丘のシャクヤク。花のリレーは続いていく。高遠にとって「天下第一の桜」は最大の宝だが、他の資源をその「陰」にすることなく、光を意味する「影」にし、1年を通してにぎわいを生みたい▼城址公園も新緑、紅葉と季節ごと異なる美しさを見せる。旨いそば、酒、菓子、アルプスの絶景や歴史文化遺産も誇れるものだ。低い位置から日が差して、影がひときわ存在感を増す冬。城址公園を覆った雪の上に無数の桜の枝影が広がる光景に出合った時、この感動を多くの人と分かち合いたいと思った。

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