絹文化の継承誓う 岡谷でフォーラム

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基調講演する吉岡幸雄さん

「伝統ある日本の絹文化を未来へ」を合言葉に、絹文化の継承と未来につながる発信を目指す「日本絹文化フォーラム2018」(長野日報社ほか後援)が28日、岡谷市のカノラホールで開かれた。NPOシルク文化協会と岡谷市、岡谷蚕糸博物館などでつくる実行委員会が主催。県内外から約300人が参加し、専門家による基調講演や活動報告を通じて、絹文化の発展・継承を誓い合った。

今回のテーマは「絹の神秘を纏う」。基調講演では、岡谷蚕糸博物館で「自然の色を纏う―吉岡幸雄の世界 源氏物語の彩」を開催中の「染司よしおか」5代目当主の吉岡幸雄さんが、「千年の色―自然から色をいただく」と題して、中国で生まれ、長い歴史の中で育まれてきた染織技術の変遷を紹介した。

吉岡さんは講演の中で、奈良の薬師寺や正倉院に残る飛鳥時代から奈良時代の染織や、平安時代の貴族たちの衣装などを紹介。こうした染織技術や絹文化を残していくために、「消費がないといけない。いい物を使うことが技術を残していくことにつながる」と強調した。

フォーラムは、生糸の一大生産地としての歴史を持つ岡谷で昨年から始まり、今年が2年目。開会セレモニーでは原田尹文実行委員長が「絹文化を末永く守っていきたい」と呼び掛け、今井竜五岡谷市長も「絹文化の新たな歴史、未来を作る機会に」と期待を寄せた。

フォーラムは基調講演に続いて、世界初の雄蚕品種「プラチナボーイ」の着物生産・販売に取り組む泉二弘明さん(銀座もとじ社長)が、「銀座もとじの挑戦」と題して特別講演。和文化研究家の中谷比佐子さんによる「きものを着たらおとな思草」と題した「きものトーク」、吉岡さんのもとで法隆寺国宝「四騎獅子狩紋錦」復元の織りを担当した染織家の湯本左緒里さん=上田市=の活動報告「私の糸・染め・織り」などもあった。

すべての発表終了後は、「伝統ある日本の絹文化を大切にし、これからの『日本の新しい絹の道』を切り拓くことが、日本の絹文化を未来へつなげていく」などとするフォーラム宣言を確認した。

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