伊那ハーレンバレーパカパカ塾 教え子に後継

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春日理事長(左)と運営全般を引き継いだ御子柴さん

箕輪町木下で、ポニーなどとの触れ合いを通じた青少年健全育成に取り組むNPO伊那ハーレンバレーパカパカ塾は今年4月、2001年の開設から活動の中心となっていた春日幸雄理事長(77)=辰野町平出=から、御子柴貴人さん(30)=同町木下=へと運営が引き継がれた。「パカパカ塾の精神を後世につなげられれば」と将来を見据えての世代交代。子どもたちが動物の飼育を中心とした体験学習により健全な心身を育む拠点の第2章がスタートした。

パカパカ塾は、小学校教諭の春日理事長が定年退職を機に、ポニーやサラブレッドなど10頭をそろえて開設した。

動物の飼育に着目したのは伊那小時代。当時受け持っていた1年生から「お米はどこの会社で売っているの?」と質問され、「これだけ豊かな自然に囲まれた環境にいながら、米がどうやって作られているのかを知らない子がいる」と衝撃を受け、「自然との触れ合い」の必要を痛感したという。

流れに任せていては何も進まない―と、クラスでヤギを飼育するという「あえて機会を設定」(春日理事長)。児童らにとっては、夏休み中もヤギの世話で登校するなど、生き物を飼う大変さを実感し、それぞれに葛藤していた様子。しかし、出産にも立ち会うなど、生命の神秘や感動、共感は級友同士だけでなく家族や家族同士にも波及。「1頭の動物によって互いの関係性が深まった」という。

塾開設後は、地域振興も兼ねて年1回、ポニーレースなどを中心とした「パカパカ杯」の開催やモンゴル遊牧民との交流など「自然と接した生活の中から、子どもたちに生きる力が育まれる活動」を繰り広げてきた。

ただ、春日理事長も70代後半を迎え「若い時のようには動けなくなった」と、塾の存廃について考えるようになり、箕輪中部小時代の教え子、御子柴さんに相談。御子柴さんは「即決できなかった」が、春日理事長の「塾を閉めるかどうか考えている」の言葉が決め手となり、後継者を決意したという。

春日理事長は「誰もが困難にぶつかるが、それを乗り越える強さ、自ら考え行動できる人を育てる―の塾の理がぶれなければ、思う通りに活動してほしい」と御子柴さんにエール。御子柴さんは「まだまだ先生のようにはいかないが、塾の理念から外れないよう、自分で出来るだけのことはしたい」と意欲を新たにしている。

塾には17年間で100人ほどの子どもたちが通い、うち2割ほどは不登校児。現在は上伊那全域から14人が通い、ポニーの飼育に取り組んでいる。随時塾生を受け入れている。

問い合わせは同塾(電話0265・79・8781)へ。

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