放牧牛の乳製品開発へ 原村の農業実践大学校

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移動式スタンチョン(右)に牛をつなぎ、軽トラックに積んだ機器で搾乳する八ケ岳中央農業実践大学校スタッフ

原村の八ケ岳中央農業実践大学校は今年度、同校で開発した放牧乳牛用の移動式搾乳システムで、オリジナル商品の開発を見据えた6次産業化に本格的に乗り出す。放牧に適した乳牛品種「ジャージー牛」を新たに導入。1日に群馬県の神津牧場から4頭の雌牛が同校に到着し、放牧や搾乳を始めた。

同校によると、日本の酪農は牛舎での飼育方法が主流だが、糞尿処理の重労働や牛のストレス増加、飼料高騰などさまざまな課題がある。一方で放牧は、飼料や糞尿処理の心配はないが朝晩、牛舎に牛を集めて搾乳する必要があり、制約が大きかった。

そこで同校は5年ほど前から「発想を転換」し、牛がいるところまで移動して搾乳できるシステムの開発に着手し、改良を重ねて昨年までに実用化にこぎつけた。

移動式搾乳システムでは、軽トラックに搾乳機一式やバッテリーなどを搭載。もう1台の軽トラックに冷却タンクを積み、2台で牛がいる牧草地へ移動。移動式スタンチョン(牛の首を固定してつなぎ止める装置)に牛を集め、その場で搾乳する。

酪農家がこれまで使用してきた機器を応用できるとし、全国的な普及を目指す。また、大規模災害などで停電が長期化したときでも自家発電装置と合わせることで牧草地での搾乳が可能となる利点もあるという。

同校は乳牛のホルスタイン140頭を飼育。敷地内の直売所で同校の牛乳を原料にしたチーズやアイスクリームなどの加工品も販売している。ジャージー牛はホルスタインに比べて放牧に適しており、牛乳の脂肪分も高いという。ソフトクリームなどで売り出したい考えだ。清水矩宏校長は「放牧で育てたジャージー牛の牛乳でつくる商品を開発して差別化を図り、利益を生む6次産業として成り立つか実証したい」と話している。

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