2018年05月06日付

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「正直言って昼神温泉と駒ケ根の間なんて高速で通り過ごすだけだった」。スピード重視の高速交通網で楽しめるのは遠くに見える雄大な山並みぐらいだろうか。沿道にもすばらしい景観があるのに、意外に印象に残っていないのかもしれない▼大型連休には毎年のように中川村を訪れ、信州なかがわハーフマラソンに参加しているランナーの、昔を思い返してのコメントだ。連休中のマラソン大会を探して走った同村で、最高の景観と人々に出会い、以来、信州旅行を兼ねたハーフマラソンで連休を過ごすようになったという▼こんなファンをたくさんつくった大会も、きのうのレースが最後となった。天候に恵まれ、新緑の中川村は絶景と沿道の声援でランナーを迎えた。今年は過去最多の3900人を超える参加申し込みがあり、その半数以上が県外者だったそうだ▼年々高まる大会の人気とともに、マスコットキャラクター「なかはマン」の全国区での活躍など、中川村を全国に発信してきた11年間。自治体主導でない大会運営には苦労も多かったろうが、大きな成果を残して幕を下ろした▼連休中には今年もブッポウソウが飛来した。県天然記念物で絶滅危惧種の渡り鳥だ。中川村は今や、県内一の繁殖地。もちろん長年の巣箱かけの成果だが、営巣、育雛ができる環境がそこにあるからだろう。「美しい村」が引き寄せたのはランナーだけではない。

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