2018年5月8日付

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こらえ性がなさ過ぎるというのだろうか。最近、あまりに衝動的な風潮が目に付くようで気に掛かる▼滋賀県彦根市の交番内で巡査部長が撃たれ、部下の巡査が殺人容疑で逮捕された。巡査は「罵倒されたので撃った」と話しているという。衝撃的ではあるけれど、原因がこの事件だけに限ったことならまだしも、抑え切れない感情に任せて善悪が判断できずに行動してしまう傾向の表れだとしたら、なお怖い。一時の激情に駆られた取り返しの付かない事態が他にも起きかねないからだ▼プロ野球2215試合連続出場の大記録を樹立した衣笠祥雄さんをしのぶ記事で、死球にも紳士的に投手の謝罪に応じた姿勢が報じられていた。「死球は投手の投げ損ないと打者のよける技術の不足が重なったもの。怒るのは自分の責任を棚に上げ他人を責めるに等しい」と、著書で述べているそうだ▼1970~80年代に日本のトップレーサーとして活躍した松本恵二さんが生前、自動車雑誌のインタビューに答えた記事も思い出す。けんかっ早いやつは一流レーサーになれない―。すぐにかっかきては冷静な運転ができないことを指摘していた▼時には理不尽といえる仕打ちに怒ることが必要な局面もあるだろう。もちろん怒りの表し方は問題だが、こらえ過ぎて精神的に追い込まれては悲劇だ。でも一方、血が上った頭をいったん冷やして事に当たる大切さも感じる。

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