13年目で初公開 釜無ホテイアツモリソウ

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アツモリソウの花を鑑賞する関係者ら

富士見町の入笠山に自生し、国内でも希少な植物・釜無ホテイアツモリソウの再生実験園が12日、富士見パノラマリゾート内に開園した。環境の変化や乱獲などで数が激減し、絶滅の危機にひんする中、町と地元有識者、企業などが保護再生に取り組み、13年目の今年、初めて一般公開にこぎ着けた。関係者や愛好家ら約60人が集まり、開園を祝った。

ホテイアツモリソウは環境省が、最も絶滅の恐れがある絶滅危惧1A類に指定しており、中でも「釜無―」は入笠山一帯のみに自生する固有種。2006年、町と町内の有識者、県希少野生動植物監視員、入笠ボランティア協会、富士見高校、食品メーカー・ニチレイ(本社東京都)の4団体と個人でつくる再生会議を設立し、自生地の保護と、無菌培養による増殖に着手。試行錯誤を経て14年に増殖株の開花に成功、翌年から実験園で自然環境下での生育に取り組んでいる。

開園式で再生会議の中山洋会長は「当初は手探りで不安だったが、地域一丸となって取り組み、ここまで来られた。関係皆さんの支援と頑張りに深く感謝申し上げ、ともに開園を喜び合いたい」とあいさつ。名取重治町長が保護活動を始めた当時を振り返り、「アツモリソウが咲き乱れることを夢見ている。今後も一層の協力を」と述べた。

株の増殖に貢献したニチレイの川崎順司取締役執行役員が祝辞を寄せ、当初から助言指導にあたる千葉大大学院の三吉一光教授、国立科学博物館筑波実験植物園多様性解析・保全グループの遊川知久グループ長は「産官学民が一体となっての保全に成功した、世界的にも貴重で誇れる好例」と高く評価し、次世代への保護の継承に期待を込めた。

約42アールの園内には150株を定植してあり、開園初日は3株の花が見られた。併せて育苗中のハウスも公開した。見学者は再生会議メンバーらの解説に耳を傾けたり、写真を撮ったりしながら濃い赤紫の花色に見入っていた。

見頃は今月下旬から6月初め。公開は来月中旬ごろまでで開園時間は午前9時~午後3時。入園料は1人1000円。

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