2018年5月22日付

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伊那谷は人口の割に作家が多い―。そんな話を聞いたのは、20日まで信州郷土作家展を開いていた伊那市坂下の画廊「はら美術」のギャラリーだった。考えたこともなかったが、都会で経験を積んできた同画廊の原真一郎さんが、伊那谷の特徴として語るその背景が興味深かった▼目標となる作家がいたことや、手本になる作品があったことはもちろん、背中を押してくれる人がいて、本気になってその道を歩もうとする人を支える気風がある。そして、この景色。東と西にアルプスが見え、谷というより広がりがある盆地が、そびえる山を際立たせる。すばらしい環境が作家を呼び、作家を生み育てるというのだ▼「かつて伊那は人口比で大阪に次いで飲み屋が多いといわれた。そんなにぎわいを復活させて人を呼び込みたい」と話すのは伊那商工会議所地域資源活用委員会の飯島松一委員長。飲食店の多さを地域資源と位置付けて、利用促進や市街地のにぎわいづくりにつなげる活性化策の研究を進めている▼これも面白い視点だと思う。酒類を提供する、いわゆる「飲み屋」に特化した利用状況調査や宿泊者の意向調査を行っており、飲み方の変化や傾向をつかみ、誘客の検討材料にするという。今後を注目してみたい▼人口比で地域を見比べてみると、地域の良さや課題が見えてくるものだ。作家の多さの背景を思うとき、伊那谷の良さを改めて感じる。

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