牛の行動、体調即時把握 信大農学部

LINEで送る
Pocket

信州大学農学部(南箕輪村)は25日、東京工業大学を研究拠点に進められているプロジェクトのサテライト(付属)機関に選ばれ、牛の行動や体調を客観的なデータを基に人間がリアルタイムで把握できるような研究を開始した、と発表した。実用化に結びつけば、畜産農家による監視作業の省力化といった負担軽減が図られ、牛の体の異変を早めに把握することで病気の重篤化を防ぎ生産性向上につながると見込んでいる。

信大農学部が取り組むのは「動物のサイレントボイス(状態や気持ちなど)との共感」をテーマにした研究。構想では、首輪型のセンサー付き無線端末を牛に装着し、牛の動きや体温などを検知。AI(人工知能)などを活用することで、畜産農家ら人間が牛の体調を把握できるようにし、牛の心身面を健康な状態に保てることを目指す。

プロジェクトには大手電機メーカーなどが参画していて、高性能センサーの開発が期待される。研究データなどを基に首輪型端末の軽量化や低価格化、牛の状況を一目で把握できるような情報表示方法などの改善を進め、畜産業界での実用化を目標に据える。

信大農学部でサテライトリーダーを務めるのは竹田謙一准教授。4月から、農学部で飼育する牛3頭をモデルにした基礎研究を実施し、データを蓄積。牛の実際の行動とデータとを照合させ、行動解析できるよう研究を進める。数年後には上伊那地方の畜産農家に協力してもらい、実地研究へ移行させる考えだ。

藤田智之農学部長は「上伊那地域は酪農が盛ん。管理技術の向上で、消費者に安全安心な製品の提供ができるようになり、酪農家の所得向上にもつながる」と期待する。

東工大を中核とするプロジェクト『「サイレントボイスとの共感」地球インクルーシブセンシング研究拠点』は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のプログラムの一環で実施。研究期間は2013~21年度の予定。

おすすめ情報

PAGE TOP