仙丈ケ岳馬の背の鹿防護柵 未設置区間設定へ

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ボランティアの協力を得て行う防護柵の設置作業。今年度は1カ所にネット未設置区を置く=昨年7月13日

南アルプス食害対策協議会は28日、総会を伊那市役所で開き、今年度の事業計画を決めた。貴重な高山植物を鹿から守るため、7~10月に仙丈ケ岳馬の背の計12カ所に設置する防護柵について、うち1カ所はネットを外した状態にして鹿の侵入や食害の有無を調べていく方針を確認。この10年で相当数を一帯で捕獲してきており、信州大農学部を中心にその成果が出ているかを検証する。

協議会は2007年9月に発足。翌年夏から特に被害が深刻だった馬の背への柵設置を始め、総延長は1キロを超えている。柵内ではシナノキンバイやミヤマシシウドが増加するなど、一定の植生回復効果も表れている。

農学部の竹田謙一准教授と渡邉修准教授によると、防護対策と並行して捕獲対策に力を入れた結果、周辺に出没する鹿は以前より減った可能性もあるという。柵は植生保護の効果を発揮する一方、「景観を損ねている」と不評を買うことも多い。「柵の拡張だけでなく、減らすことも考えていかなければならない時期にきた。(食害を受けてしまう)リスクはあるが、いつかは試みなければならない」と説明した。

ネットの未設置区は、希少植物が比較的少ない箇所から選び、周辺にカメラを置いて鹿の出没状況を監視する。食害が目立つ場合には中断してネットを張る計画だ。

協議会は伊那市や富士見町など4市町村と、南信森林管理署、県、農学部で構成。各市町村猟友会に委託して引き続き捕獲を進め、林道沿いの外来植物除去や啓発事業にも取り組む。

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