「進徳の森」林業遺産に 日本森林学会が認定

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林業遺産に認定された伊那市高遠町の「進徳の森」(上)と高遠町図書館に所蔵されている中村弥六の林業関連資料

日本初の林業博士である中村弥六(1854~1929年)が、出身地である伊那市高遠町に整備した「進徳の森」と、高遠町図書館に所蔵されている弥六の林業関連の資料群8点が29日、一般社団法人・日本森林学会が林業発展の歴史を伝える景観や資料群などを指定する「林業遺産」に認定された。国有林以外では、旧木曽山林学校資料等(木曽町)に続いて県内で2件目。

弥六は現在の伊那市高遠町に生まれ、1879年にドイツに渡り林政学や森林経理学などを学んだ。帰国後は東京山林学校(現東京大学農学部林学科)の初代教授になり、「近代林学の父」と呼ばれている。

進徳の森は1911(明治44)年、中村家の墓所があった峰山寺(同市高遠町東高遠)周辺が大雨で崩壊したことから弥六が周辺の土地を購入。当時は珍しかった外国産の樹木を農林省林業試験場から移植した。その後、この森は60(昭和35)年に遺族により高遠町(現伊那市)に寄贈され、高遠藩校・進徳館にちなみ「進徳の森」と命名された。

進徳の森の広さは約60アールで、胸高直径1メートルを超えるヒマラヤスギや樹高35メートルを超えるユリノキなど7種類35本の外国産樹木とカヤやコナラ、ヒノキなど在来の樹木が生育している。100年を超える年月にも負けずに大きく成長した「進徳の森」は、外国の樹木の生長を知るモデルとして貴重といえる。ともに認定された資料群は弥六が書いた「林業回顧録」やドイツ語で書かれた「博士号学位請求論文」などで、高遠町図書館で閲覧できる。

白鳥孝伊那市長は「認定を受けたことを市民とともに心から喜びたい。近代日本の黎明期に国や国土を考え、日本林業の礎を築いた功績は計り知れない。認定を励みとして林業振興、木材産業の振興を、さらに進めたい」とコメントを寄せた。

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