東山魁夷「緑響く」 茅野市美術館で展示へ

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茅野市奥蓼科の御射鹿池を描いた日本画家、東山魁夷(1908~99年)の代表作「緑響く」(82年)が今夏、茅野市制施行60周年を記念した茅野市美術館(同市塚原)の企画展で展示されることになった。柳平千代一市長が1日の定例記者会見で明らかにした。「緑響く」が市美術館に展示されるのは初めてという。

「緑響く」は東山が74歳の時に発表した日本画で、連作「白い馬の見える風景」シリーズの中でも最も人気のある一点。72年に制作されたが、パリで開く展覧会のため一回り大きくして再度制作したという。収蔵する県信濃美術館東山魁夷館(長野市)は「自然の奥深さを追求した代表的な作品」と評価する。

市制施行60周年を記念した企画展「信濃美術をみつめる『描くこと この地との出会い』」の会期は7月28日から9月9日まで。「緑響く」(84センチ×116センチ)は前期(7月28日~8月13日)に展示され、後期(8月15日~9月9日)は「緑響く」の習作(24・5センチ×35・5センチ)が紹介される。東山作品は下諏訪町の八島ケ原湿原を描いた「夕明り」(72年)を含む計10点が出品されるという。

企画展は茅野市ゆかりの画家8人を取り上げる展覧会。茅野市出身の矢崎牧廣と矢崎博信、篠原昭登、教員生活を送った中川紀元、蓼科高原を愛し滞在した正宗得三郎、小堀四郎、田村一男、東山魁夷の合わせて約50点を展示し、「この地に出会った作家たちの歩み」(市美術館)を紹介する。

御射鹿池は昭和初期に完成した農業用温水ため池で、2010年には農林水産省の「ため池百選」に選ばれている。「緑響く」を通じて全国に知られ、大勢の観光客が訪れることから、17年に歩道の拡幅や駐車場の新設が行われた。柳平市長は「実物の『緑響く』を多くの皆さんに見てもらいたい。そして取材地の御射鹿池に橋を伸ばしてもらえたら」と期待している。

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