2018年6月3日付

LINEで送る
Pocket

優れたジャーナリズムなどを表彰する2018年度ピュリツァー賞で最も栄誉とされる「公益賞」を受けたニューヨークタイムズと雑誌ニューヨーカー。全世界的に女性に対する性的虐待について、深く考えるきっかけを与えた―が表彰理由。報道を起点に「MeToo」の社会的運動は日本にも影響を及ぼし、留飲を下げた人もあったのではなかろうか▼同賞は新聞経営者ジョーセフ・ピュリツァーの遺言で1917年に創設。新聞などの報道や文学、作曲に与えられる米国で最も権威ある賞だ▼その運営事務局は「権力や富を握り、弱みに付け込んで性犯罪を犯し、長く被害者を抑圧しながら野蛮な行為をして黙らせた。その責任を追及した」と受賞社の功績をたたえる。実被害と誰にも言えない苦しみの二重被害を抱える被害者にとっては直接・間接的に希望の光が与えられたのではなかろうか▼日本でも行政、企業を問わずセクシュアルハラスメント(セクハラ)の話題は尽きない。都道府県労働局などが受けたここ数年のセクハラ相談件数は、一時減少したが2014年から増加に転じた。数字が氷山の一角であれば事はことさら深刻だ▼米国の新聞と雑誌が世界に発信した問題提起は「MeToo」運動として大きなうねりを巻き起こした。さて日本ではいかがか。一過性のブームで終わるのではなく、認識が根付くうねりになることを切に願いたい。

おすすめ情報

PAGE TOP