朽ちる竪穴住居展示 与助尾根遺跡

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傷みが進む与助尾根遺跡の縄文時代の竪穴住居。「朽ちていく縄文集落の一場面」とし展示公開している=茅野市豊平

茅野市豊平の縄文時代の集落遺跡「与助尾根遺跡」で、復元された竪穴住居2棟の老朽化が進んでいる。市教育委員会は2棟を「廃屋ゾーン」として立ち入りを禁止。「人が住まなくなった竪穴住居がどのように朽ちていくか」写真撮影などを行い調査している。各地で復元され展示公開する竪穴住居は古くなり「危険」と判断されると取り壊されるのが一般的だが、こうして「最後まで見届ける」展示法はユニークと見られる。

与助尾根遺跡は近くの尖石遺跡を含んだ国特別史跡「尖石石器時代遺跡」に指定されており、特別史跡の保存管理や整備活用について指導を受けている文化庁と協議した上で実施しているという。

管理する市尖石縄文考古館は、与助尾根遺跡を「竪穴住居のある縄文集落が全国に先駆け復元され、縄文集落の代表的な事例となっている」とする。その上で「朽ちていく縄文集落の一場面という視点で展示。縄文集落を生々しく見せるため屋外展示物として公開、活用している」と話す。

2棟(ともに直径約5メートル、高さ約4メートル)は2000年に考古館の建て替えとともに、6棟新築したうちの南側にあり隣り合って建つ。同考古館によると、これまでカヤの一部ふき替えなど修繕を重ねてきたが、20年近くが経過し2棟の脇にあるクリの木が成長。日当たりや風通しが悪くなり屋根にはこけが生え、柱も腐りが進んでいる。

竪穴住居の老朽化をめぐっては市教委が16年3月に策定した特別史跡尖石石器時代遺跡保存管理計画で課題に挙げられた。17年からは考古学者や博物館、植物、造園、地元識者らでつくる同遺跡史跡整備有識者会議を発足し審議している。

今後の対応は未決定だが同考古館は▽与助尾根周辺の「縄文の森」で間伐したクリ材を利用して住居の骨組みだけを展示▽大きくなった樹木を間伐して日当たりを良くして住居を建て替える―など複数の考え方があるとしている。

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