2018年06月07日付

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「議長命令だ」と懇願されたそうだ。4月の北安曇郡小谷村議選。人口が3千人を割り込んだ村では立候補予定者が定数の10に届かず再選挙の可能性が高まり、高齢を理由に引退を決めた村議にも出馬要請の声が掛かった。こうした働き掛けもあり、何とか選挙は成立。ただ定数には足りず、結局9人が無投票で当選した▼やはり4月に行われた伊那市議選も含め、地方選で無投票が増えている。この傾向は小規模の町村から市にも広がりつつあり、駒ケ根市民は2015年の県議選から市議選、市長選と投票の機会を失い続けている▼深刻化するなり手不足に対し、下伊那郡喬木村議会は夜間や休日の議会開催を導入。高知県大川村では有権者が直接村の課題を話し合う「町村総会」の検討を始めるなど、各地で地方自治を守るための試行錯誤が始まっている▼人材難のほか地区での調整や報酬、時間的制約など、無投票にはさまざまな要因が指摘される。少子高齢化や人口減少といった同じ課題を抱える地方にとってひとごとではない▼伊那市議会は市議選の無投票を受け、「魅力ある議会づくり検討会」を設置。きょう初会合を開く。「選挙で市民に問うのが政治の基本姿勢」と全議員が知恵を出し合い、無投票を防ぐ方策を探っていくという。課題に向き合った早い動きといえる。市民も巻き込み、地域や時代に沿った妙案が出されることを期待したい。

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