放課後の居場所づくり10年目 岡谷市教委

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放課後子どもの居場所づくり事業「おさっちあ」で英単語を使ったゲームを楽しむボランティアスタッフと児童ら=6日、岡谷市長地小

岡谷市教育委員会が市内の小学生を対象に実施している「放課後子どもの居場所づくり事業」が今年度で10年目を迎えた。学校施設などを会場に地域住民が運営し、交流活動を通して子どもたちを心豊かに育てる取り組み。少子化に伴って児童数が減少する中で、登録率は年々増加している。放課後の子どもの居場所が課題となっている昨今、子どもたちにとって魅力ある場所であるとともに、地域住民による子育てが定着してきた。

「去年も一緒に遊んだよ。よろしくお願いします」。5月23日、長地小学校で開講した「おさっちあ」。指導にあたる地域のボランティアスタッフを前に、子どもたちの明るい声で始まった。今年度は1~6年生の約210人が登録し、昨年同期より60人ほど上回った。初回は紙芝居の読み聞かせに続き、ボールを使ってにぎやかに遊ぶ姿が目立った。

おさっちあは毎月1、2回水曜日の放課後に開催。子どもたちは体を動かして遊んだり、宿題をしたりして自由に過ごすほか、地域住民の知識や経験を生かし、工作や調理、縄跳びといった特色ある交流活動を展開。年間11回を予定し、近くの岡谷南高校の生徒を招いての英語や理科の学習も新たに進めている。

児童たちは「自由に遊べて楽しい」と口をそろえる。入学当初から参加している6年の鈴木七海さん(12)は「クラスメートのほかに、たくさんの友達と遊べるし、仲のいいおじいちゃんもいるよ」と笑う。

ボランティアスタッフは約40人。大半がなじみの顔触れだ。長年スタッフを務める山口俊雄さん(72)=同市長地小萩=は「子どもの成長が喜びであり、張り合いだね。甘えっ子でも上級生になると、自然と下級生の面倒を見るようになるんだよ」と目を細める。

おさっちあ発足当時から関わる同事業コーディネーターの矢崎よし子さん(72)=同市長地鎮=は「地域との触れ合いで、あいさつができるようになった子も多い。多世代交流で、社会性が身に付く」としている。

「子どもたちが自ら参加し、年々増えている」と矢崎さん。手応えを語る一方で、児童の自由な活動と安全の両立に向けて「ボランティアの数がもっと必要」と指摘する。スタッフの高齢化を背景に、若い世代にも呼び掛けながら、協力者を募っていく考えだ。

市教委生涯学習課は、登録率増加について「活動が定着し、学校ごとに独自性や魅力ある内容で取り組み、工夫している成果」としている。

放課後子どもの居場所づくり事業は、水曜日の放課後などを活用し、保護者の就労にかかわらず市内の全児童を対象にしている。地域住民の知識や教養を伝える交流活動を通して、子どもたちの安全安心な居場所づくりに取り組む。2009年度に川岸小、湊小、旧田中(現岡谷田中)小の3校をモデル校に実施。11年度に対象を市内全小学校に広げた。

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