2018年6月13日付

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新緑から万緑の季節。早い時間帯にその日の仕事の準備をしようと何度か「朝活」をしている。八ケ岳西麓にある自宅を5時頃に出て、杖突峠を越えて二つのアルプスに囲まれた仕事場の伊那市へ。峠道の緑はとりわけ新鮮だ▼山に水田に牧草地。初夏の伊那谷を訪れた名古屋市の女性は、天地を満たす信州の緑が「大好き」と話してくれた。伊那市高遠町の「しんわの丘ローズガーデン」のバラ祭り。バラ園を造園し、旧高遠町に寄贈した伸和コントロールズ(川崎市)の幸島宏邦社長は「周囲の緑がバラの美しさを引き立ててくれる」。開幕式で緑の価値を強調した▼杖突峠展望台には、濃いピンク色が池にも響く高遠城址の夜桜と、茅野市奥蓼科の御射鹿池の写真を並べたプレートがある。両市の美しさの象徴。日本画の巨匠・東山魁夷が御射鹿池をモデルに描いた「緑響く」は今夏、茅野市制60周年記念事業で同市美術館に展示される▼緑豊かな信州の峠道だが、一つ残念なのはごみのポイ捨てが絶えないことだ。不法投棄パトロールに同行し、杖突でも和田でも権兵衛の峠道でもがけ下の散乱ごみを目撃した▼2枚の写真を並べた前出のプレートも実はごみの持ち帰りを促す啓発用だ。生活する上でCO2やごみは少なからず排出してしまうが、ポイ捨ては限りなくゼロにできること。緑の下に響く緑が、ごみでかき消されてしまうようでは悲しい。

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