民泊新法施行 諏訪地方届け出3件

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住宅を有料で旅行者などに貸し出す「民泊」のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が15日施行された。県諏訪保健福祉事務所によると、諏訪地方の届け出は、茅野市1件、富士見町2件の計3件にとどまった。一方、従来の旅館業法に基づく「簡易宿所」の許可申請は4月以降9件あり、前年同期の4件から倍増している。外国人旅行者にとっては選択肢の一つである「民泊」をどのように提供し、地域の活性化につなげていくか。営業の実態がみえにくい民泊への不安が広がる一方で、「外国人旅行者に排他的なイメージを与える」ことへの懸念も出ている。

民泊の届け出状況について、諏訪保健福祉事務所は「様子見ではないか」とみている。提出する書類の多さもあって動きは鈍いものの、「今後届け出が増えてくる可能性はある」と指摘する。

一方で増えているのが、民宿やペンション、山小屋などと同様の「簡易宿所」だ。4月以降の許可申請について、同事務所は「相談内容から民泊絡みとみられる案件が5、6件あった」と話す。許可手続きが必要だが、営業日数や地域、期間に制限のある民泊に見切りをつけ、宿泊事業を始める人もいるようだ。

原村内の簡易宿所。民泊の予約仲介サイトには一軒家貸し切りで1泊4500円とある。17日朝、群馬県から来た20代カップルは「(辰野町の)ほたる祭りを見に来ました。値段が安く、古民家の雰囲気もよかった」と語り、軽自動車で“宿”を後にした。

周辺の農家や住民によると、若い家族が空き家を取得して最近営業を始めたという。週末を中心に利用があり、騒音などのトラブルはないという。「(家主の)ご主人は明るく素朴な方」だが、別の場所に住んでいて連絡先を知る人はいない。中高年の女性は「知らない人が近くにいると思うと不安もある。安心安全であれば、協力して農業体験などの交流ができるのに」と話していた。

茅野市は2月、民泊の制限に関する関係区長との懇談会を開いた。制限の緩和を求める声はなく「逆に厳しくしてほしい」といった意見が出たという。市の担当者は「届け出があれば様子が分かるが、無許可で営業された場合は苦情やトラブルがあったときに民泊が発覚する。(県の監督下だが)地元の区や市町村として対応せざるを得ない」と、不安を口にした。

他方、公衆衛生の悪化や地域とのトラブルを防止するために国や県が設けた制限によって「民泊が事実上できなくなっている」と指摘する声もある。民泊に詳しい観光関係者は「外国人旅行者にとって民泊は当たり前の選択肢。マーケットはあるのに規制で事実上禁止してしまった。日本全体として排他的なイメージを外国人旅行者に与えてしまっている」と警鐘を鳴らした。

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