2016年05月08日付

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祭りに限らず、大勢が同じ目的に向かって行動したときの一体感は、充実感につながる。諏訪大社御柱祭を見物した観光客の口からは「一体感に感動する」という言葉も聞いた。参加している氏子であればなおさら、どんな役回りでも実感するだろう▼各御柱列の最後を、ほうきやブラシを手に道路をきれいにしていくのはいつもの光景だ。楽しんだ後の始末は大切な仕事の一つ。やりがいを感じ汗を流す姿は、子どもたちの手本になったに違いない▼地区ごとでは以前からやっていたかもしれないが、上社では1998年の御柱祭で関係者がごみ対策を協議し、初めて御柱ごとにごみ収集車を付けることを決め、ごみの回収を徹底させた。同年4月3日の山出し初日の様子を、小紙は翌日付で〈ごみだらけの街道筋からごみが消えた〉と報じた▼今年の上社里曳きの本宮境内での話。階段下に何か光る物が見えた。多くの人がまたいでやりすごす中、足を重そうに動かす70代とおぼしい男性が近づいた。弁当のふたのようだ。よっこらしょと腰をかがめて拾い上げ、さげたバッグに無造作に押し込んだ▼ある地区の大総代は祭りの締めくくりに「祭りの支え合いと思いやりを地域の生活に持ち帰って」と氏子に呼び掛けていた。さすがうまいことを言うなと感心したが、あの男性の行動こそ毎日の生活に実践すべき姿だと気付いた。祭りの雑踏の中に手本を見た。

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