2016年05月10日付

LINEで送る
Pocket

編集者で著述家の松岡正剛さんが、歌人・中西悟堂が催した探鳥会に参加したときの思い出を、自身の書評サイトの中で話題にしている。当時小学生だった松岡少年にとって、野鳥を愛したその人の言葉がよほど心に響いたのだろう▼「いいかね、鳥はね、耳で見るんだ。目で聞くんだよ。君たちはね、木になるんだ」。松岡さんは悟堂の言葉を紹介し、「なんだか天狗の謎かけのようで、懐かしい」と述懐している。中西悟堂は日本野鳥の会創立者で、初めて探鳥会を催した人としても知られる▼新緑のまぶしい季節になった。野山に出かけ、鳥のさえずりに耳を傾ける絶好の季節といえる。きょうから愛鳥週間が始まった。野鳥という言葉を広めた悟堂は、「野の鳥は野に」と、狭い鳥かごの中ではなく、自然環境の中で鳥をめでることを強く訴えたという▼岡谷市郊外の塩嶺小鳥の森までバスで向かい、野鳥を観察する恒例の「塩嶺小鳥バス」の運行が今季も始まった。この地には、塩嶺の自然を愛し、数々の短歌を詠んだ悟堂の歌碑がある。その近くに歌の内容を解説したプレートが設置され、先月、除幕式があった▼創立60周年を迎えた日本野鳥の会諏訪支部(林正敏支部長)が記念事業として建て、市に寄贈したという。野鳥の聖地として、もっと多くの人に親しまれるといい。同支部員が案内する塩嶺小鳥バスは6月26日までの日曜日に運行する。

おすすめ情報

PAGE TOP