入野谷在来そば復活を 作付け拡大で防護柵

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新しい耕作地に獣害対策の防護柵を設置する関係者。作業には東京のそば店主も参加した

伊那市の「信州そば発祥の地伊那そば振興会」が入野谷そば振興会や信州大学と共同で取り組んでいる「入野谷在来種復活夢プロジェクト」は27日、新たにソバを作付けする同市長谷杉島の休耕田で、獣害対策用防護柵の設置作業を行った。伊那そば振興会の呼び掛けに賛同したそば店主らが県外からも参加。3年目のプロジェクトは中山間地での人手の確保や「そば」を通したネットワークづくりでも具体的に動き出す。

県野菜花き試験場(塩尻市)で見つかったわずか20グラムのソバの在来種「高遠入野谷『浦』」を基に、再興を夢みて、2年前から種を増やす取り組みを続けている。この日の作業には参加団体から計約30人が参加。安定栽培に必要な鹿対策の金網を圃場の外周約220メートルに張り巡らせた。

名店として知られる東京・巣鴨の「手打ちそば菊谷」の菊谷修さん(43)は、入野谷在来のソバ復活のために手弁当で来訪。「農家とそば屋が一体となっていいものをつくっていくことが在来種を守っていくこと」と話し、休耕田に足を踏み入れた。市外、県外に協力を呼び掛けた伊那そば振興会の飯島進会長は「在来種の復活のためには種まきにも収穫にもマンパワーが必要。こういう皆さんがもっと来てくれれば担い手が少ないこの地域でも何とか栽培していくことができる」と歓迎した。

種まきは7月19、20日に行う予定。過去2年間栽培した浦地区では、交雑を防ぐ環境が整っている約12アールの圃場を使って原々種を育成する。杉島地区に新たに借りた約18アールの休耕田には採種用のソバをまき付ける。

昨年収穫したソバから選抜した入野谷在来の原種は約14キロ。プロジェクトに参加する信大農学部の井上直人教授(作物学・植物栄養学)は「これまで農家が中心となって作ってきたが、これから作付けが増えて、種の確保がきちんとできるようになっていけばいい」とネットワークの広がりに期待している。

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