毛利子来さんの著書 遺族が富士見町に寄贈

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平出課長と著書寄贈について話し合う内田さんと、毛利子来さんの長女ミドリさん、妻の敬子さん、次女のマスミさん(左から)

子育てに関する多くの著書を世に出し、育児や教育に悩む親から「たぬき先生」の愛称で親しまれ、昨年10月に87歳で死去した小児科医の毛利子来さんの著書が東京都の遺族から富士見町に寄贈されることになった。町は町図書館にコーナーを設けて、生かす考えだ。

毛利さんは東京・原宿の小児科医院で長年診療を続ける一方、子育てや保育、障がい児教育など親子を巡る幅広い課題について発信を続けた。「赤ちゃんのいる暮らし」など親や子どもに寄り添った多数の著書を出版し、雑誌「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」の編集代表も務めた。

同町落合に40年前に別荘を建て、家族で夏休みや週末に訪れては執筆や読書をして過ごした。

同町に著書を一堂に集めた記念文庫ができたら―と構想したのは心理カウンセラーの内田良子さん(75)=東京。内田さんは富士見町出身。毛利さんが死去した後の1月、関係者が東京に集まった会合で妻敬子さん(84)ら遺族と知り合い、毛利さんが自分の故郷と縁が深いことを知った。

「町に著書がそろい、母親らが安心して子育てができる環境ができたら」とその場で「記念文庫」を提案。敬子さん、次女のマスミさん(55)=ともに東京=は「(毛利さん)の子育てに対する哲学を将来につなげていくことができる」とし賛同を得た。

町議会6月定例会一般質問で同町の脇坂隆夫教育長は記念文庫について「(受け入れを)前向きに検討する」と答弁。28日には敬子さんとマスミさん、長女のミドリさん(60)=フィンランド=、内田さんらが町役場を訪れ、町教育委員会生涯学習課の平出裕一課長と寄贈について話し合った。

平出課長は「町としてもうれしい申し出」とし、「著書を使った勉強会が開かれるなど広がりが生まれたら」と期待した。寄贈は都内の自宅にある著書や出版社からも協力を得て100冊ほどになる予定だ。

敬子さんは「夫は別荘から眺める八ケ岳の風景が好きだった。ここは忘れられない場所。文庫という形でご縁が続くことを喜んでいると思う」と話していた。

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