南アの開拓者に感謝 北沢峠で長衛祭

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長衛翁のレリーフに献花し登山の安全を祈る参加者

南アルプスの開拓者、竹澤長衛の遺徳をしのぶ「第60回長衛祭」(同実行委員会主催、長野日報社など後援)の碑前祭は6月30日、伊那市長谷と山梨県南アルプス市境の北沢峠(標高2032メートル)で開いた。両市や山岳関係者、登山者ら約170人が出席。南ア登山の礎を築いた長衛に感謝しながら、本格化する夏山登山の安全も合わせて祈願した。

長衛(1889~1958年)は黒河内村(現伊那市長谷)の生まれ。父親の山仕事を手伝う傍ら、14歳の頃から山案内を始めた。成人してからは猟師と山案内を生業とし、仙丈ケ岳を一般登山者にも登れるようにと、登山道を開墾。自費で山小屋「長衛小屋」を建設し、南アルプス登山の基地とした。

長衛の死後半年ほどで、親交のあった人たちが長衛小屋の近くの大岩に長衛の姿を刻んだレリーフを設置。長衛祭は翌年から毎年、そのレリーフの前で行われている。式典では伊那市長谷小学校の6年生と南アルプス市芦安小学校5、6年生の児童が、南アルプスカルテットが奏でる弦楽四重奏の伴奏で童謡「ふるさと」を斉唱。参加者がレリーフに花を手向けた。60回を記念し、初回から長衛祭の開催や運営に尽力している伊那山の会と、長衛祭に多額の寄付をした三峰川電力に感謝状も贈られた。

実行委員会の唐木真澄委員長は昔の長衛祭の思い出を語りながら「林道バスが開通し、昔の登山姿を知る者としては隔世の感がある。安全に登山を楽しんでほしい」とあいさつ。大会長の白鳥孝伊那市長は「私たちが当たり前に大自然に親しみ、登山を楽しめるのも故人の偉大な業績によるもの。長衛が夢見た『安心して登山できる南アルプス』の環境整備に努める」と祭文を読み上げた。

式典後には60回記念として、栗沢山を登山。初心者向けの仙水峠トレッキングやコケの観察会もあった。7月1日には仙丈ケ岳記念登山と長谷村を拠点に活動する山岳写真家、津野祐次さんの写真教室も行われる。

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