温暖化影響か北へ拡大 辰野でシラカシ確認

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野鳥などによって種が運ばれ根付いたとみられるシラカシ=駒ケ根市の十二天の森

1980年代までは飯島町が自然分布の北限とされていた伊那谷のシラカシが、分布を北に広げている。駒ケ根市立博物館専門研究員の吉田保晴さん=同市小町屋=によると、現在の北限は辰野町で、伊那市大萱では標高800メートルの場所でも確認された。吉田さんは「近年の冬期における温暖化が一因と考えられる」と考察。同館館報第2集42~48(2018)で発表した。

分布調査は2015年から17年にかけて行い、研究者らが取り組んだ過去の調査記録と比較しながら実態を明らかにした。

中川村から辰野町までの245カ所の林床に入り、シラカシの有無を調査。162カ所で存在が確認でき、最北は辰野町上辰野の標高770メートルの場所だった。

駒ケ根市福岡の平地林「十二天の森」にも調査に入った。1993年に少数ではあるがシラカシが確認されていた森で、個体数が増えているといわれていた。吉田さんは2015年に一帯約11ヘクタールをくまなく歩き、481本を確認。うち7本は10メートル以上に成長していた。

樹高7メートル、根元直径10センチの個体の年輪を調べると、25年前に芽生えたもので、1990年には既に十二天の森に入り込んでいたことも判明した。

調査地点は社寺林や段丘崖樹林で、人為的に植えられたものとは違い、庭木などの植栽木から野鳥や小動物によって種が運ばれた実生個体とみられる。吉田さんは「冬期の低温や積雪で、芽生えても冬を越せずに根付くことができなかったものが、成長することができるようになっている。それだけ冬の温度が高くなっているということではないか」と話している。

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