諏訪湖の貧酸素状態改善へ 湖上に実験用台船

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台船上で実験用の装置を組み立てる諏訪湖クラブの関係者

諏訪湖の環境改善を目指す住民団体「諏訪湖クラブ」(沖野外輝夫会長)は3日、湖底の貧酸素状態の改善につなげる実験の開始に向け、台船を岡谷市湊の岸から約600メートル離れた湖上に移した。水中に空気を送り続ける装置を取り付け、試運転を行った。今回は船上に設置した20枚の太陽光発電パネルで装置を動かすための電力を確保する。近く実験を開始し、8月下旬ごろまで続ける。

諏訪湖は夏場、湖底に水中に溶けた酸素の量「溶存酸素量(DO)」が極端に不足する貧酸素水の層ができる。2016年7月に発生したワカサギの大量死の原因は特定されていないが、貧酸素水が影響したとされている。

同クラブでは、湖底に空気が溶けた水を送り、貧酸素状態を改善して生物が生息しやすい環境の実現につながる手法の開発と検証を続けている。昨夏は燃料を使う発電機を用いて湖水を吸い上げ、エアコンプレッサーを用いて水に溶かす空気をつくり、超微細気泡「ナノバブル」を発生させて、湖底に送る装置を動かした。今年は太陽光発電を活用する。

実験地点の水深は5.8メートルほど。現場で行った水温やDOの測定結果によると、水面の水温は25.6度、下層は20.2度で水深4.5メートルでは1リットル当たり4.54ミリグラム以上の溶存酸素があり、生物が生息するのには十分だったが、5メートル以下では同0.1ミリグラム程度でほとんど酸素が溶けていない状態だった。

底層の貧酸素状態は水温差のによる密度の違いなどから発生する。今回の実験でも台船の四隅と装置の給水、排出地点近くに水温とDOを調べる測定器を設置し、装置の効果を調べる。信州大学山岳科学研究所や公立諏訪東京理科大学の教授、准教授や諏訪湖に関係する民間事業者が実験に協力している。

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