2018年07月07日付

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地区の集会場に避難した70代の男性は、降り続く強い雨に「三六災の時に似ている」とつぶやいたそうだ。天竜川など河川の濁流は勢いを強く保ち、土壌の水分量も上がっている。4日目を迎えた大雨に不安は募る▼1961(昭和36)年の「三六災害」は至るところで大きな土砂災害と河川の氾濫を引き起こし、伊那谷の死者・行方不明者は136人に。物心ともに大きな傷を残した。近年では諏訪、上伊那に甚大な被害をもたらした2006年の「18年豪雨災害」が記憶に新しい▼こうした災害を教訓に、各地で河川改修や砂防えん堤の整備をはじめ、危険箇所を示すハザードマップの作成、住民主体の避難体制の確立、実践的な訓練など、ハード・ソフト両面で対策が進められてきた。今回、駒ケ根市で進める官民の連携が、速やかな避難勧告や避難準備、住民の避難につながったと聞いた▼水害対策で指摘されるのが「リードタイム」の活用だ。突然発生する地震と異なり、水害は発生までに危険予測や避難をする時間がある。適切な対応により、人的被害を最小限に防ぐことが可能になるとの考えだ▼二つのアルプスに挟まれた伊那谷は台風被害などが少なく、「災害に強い」とされるが、無関心や過信は禁物だ。過去の災害を忘れず、国や自治体などが提供しているさまざまな情報を上手に活用し、早めの判断、行動で確実に身の安全を確保したい。

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