広がれ旧美篶村の歌「あゝ末広の名の如く」

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歌詞カードを見ながら「あゝ末広の名の如く」を歌う敬老会の参加者たち

伊那市美篶の末広区(塩原敬治区長)は、昭和30年代に作られたとみられる歌「あゝ末広の名の如く」を区民に広げる活動を始めた。旧美篶村の最後の村長を務めた故春日清文氏の作詞で、末広の歴史や先人への感謝、集落が末広がりに発展することへの願いが3番までの歌詞に盛り込まれている。存在自体を知る人も少ない中、普及に向けてCDを制作。8日の敬老会で歌詞カードを配って全員で歌い、復活への一歩を踏み出した。

高遠藩主の肝煎りで、六道原の開発とともに開墾が進められ、1863(文久3)年に誕生した末広村。発展への願いを込め、藩主がこの名を付けたとされる。歌は1962(昭和37)年の「末広百年祭」記念誌にも掲載。春日氏の四男、健さん(70)は「百年祭に合わせて、末広の歴史を歌として残したい思いがあったのだろう」と推測する。

南箕輪村で暮らし、上伊那地方の学校で音楽の教べんを執った故西澤悌次郎氏が作曲を手掛けた。

いまはほとんど歌われなくなった末広の歌を後世に継いでいこうと、「青年会時代に歌った記憶がある」という区民の丸田旭雄さん(77)を中心に準備を進めた。ピアノ伴奏のCDは10枚制作し、婦人会などの団体に配布。区長宅や末広集落センターに置いて貸し出しにも応じ、寄り合いの際に活用してもらう。納涼祭や秋祭りでも区民で歌う機会を設けていく。

 狐狸すむ荒野打ち拓き…
  六道堤の水満ちて
   むらの生命ささえこし…

「先人・先輩方の苦労が歌詞からうかがえる」と丸田さん、「末広の歴史、発展の礎を知ることができる歌。子どもたちにも覚えてもらい、末永く歌い継がれるようにしたい」と塩原区長(71)。健さんは「末広の区民の皆さんが歌を通じて一つになれればうれしい」と話している。

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