鹿の樹皮剥ぎ対策 麦草峠にネット設置

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麦草峠の原生林で樹皮ネットの設置作業に取り組む参加者たち

八ケ岳周辺の9市町村と観光協会などでつくる「南北八ケ岳保護管理運営協議会」は11日、鹿による樹皮剥ぎが深刻な北八ケ岳の麦草峠周辺の原生林で、シラビソやコメツガ、トウヒなどを樹皮ネットで囲う作業を行った。協議会などによると、八ケ岳に樹皮ネットを設置するは初めて。今後は山小屋に樹皮ネットを配り、山域全体で樹木を守る活動を展開する。

八ケ岳で鹿の生息調査を続ける信州大農学部の竹田謙一准教授によると、八ケ岳では硫黄岳(2760メートル)の山頂付近など標高2000メートルを超える高山帯にも鹿が出没しており、食害を受けた原生林では「(鹿に食べられて)若い木が育っていない」。将来的にササ原やはげ山になる危険性があるという。

協議会加盟の自治体や南信森林管理署、八ケ岳観光協会、信大農学部動物行動管理学研究室などから約20人が参加し、麦草峠周辺の3カ所で作業を展開した。樹木についたコケの保護を考えてプラスチック製の樹皮ネット(約70センチ×約2メートル)を使い、種を付ける太い木を中心に60本以上に樹皮ネットを張った。

「苔の森」として人気が高まっている麦草峠周辺の原生林だが、一歩足を踏み入れると、鹿に樹皮を剥ぎ取られた樹木がいたるところにあり、地面には鹿のふんが点在していた。竹田准教授は「ピンポイントで樹皮が残っている木を守る取り組みになる」(竹田准教授)と語り、従来の防護柵や鹿の捕獲と合わせ、早急に対策を進める必要を強調した。

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