蓼科の「一本桜」守ろう 樹木医に診断依頼

LINEで送る
Pocket

樹木医の西之園徹さん(左)から一本桜の診断結果を聞く湯川財産区の関係者

蓼科高原を晩年の仕事場にした小津安二郎監督(1903~63年)と脚本家の野田高梧(1893~1968年)が蓼科滞在中に足しげく通った「一本桜」を守ろうと、桜を所有する地元の湯川財産区が樹木医に診断を依頼した。専門家の助言と協力を得て、秋をめどに抜本的な対策を検討する考え。蓼科の名所でもある一本桜の保護に向け、蓼科観光協会や市と連携していきたいとしている。 

一本桜は標高1450メートルの丘の上にある山桜。小津、野田両氏は1954年8月、山道を歩きながら映画「早春」の構想を語りつつ、一本桜にたどり着いた。その後も折に触れて疎林を散策し作品の構想を練ったという。今は「小津の散歩道」として観光客に人気のコースとなっている。

一方、根元への立ち入りを防ぐ保護柵を設置するなど対策を講じてきたが、近年は樹勢の衰えが目立ってきた。湯川財産区の依頼を受けた諏訪市中洲の樹木医、西之園徹さんによると、一般的に山桜が自生する標高を上回っていて厳しい環境下にあり、根元に西日や風が当たって乾燥が進んでいるという。

一本桜は樹高約14メートル。株立ちで幹は3本に分かれていて、枝張りは直径約20メートルに及ぶ。13日は夏場の水切れ防止のため、根本周辺に保水用のわらを敷き詰めた。枯れ枝が落ちて観光客がけがをしないよう、ベンチも移動させる計画だ。不健全な枝の伐採や土壌改良なども検討する。

現地で取材に応じた西之園さんは「将来的にはコンパクトにして自然に合った形で自力で長く生きてくれれば」と語り、湯川財産区の柳澤圭吾総代は「一本桜は蓼科や小津監督のシンボル。市や蓼科観光協会とも協力して守っていきたい」と話していた。

おすすめ情報

PAGE TOP