2016年05月16日付

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「情けは人のためならず」とは、「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」という意味のことわざ。「人に情けを掛けて助けてやることは、結局その人のためにならない」という誤った意味で理解している人が多いことでも知られる▼なぜ誤用が生じたのか。「人のためならず」に助詞の「に」が入ると「その人のためにならない」と受け取れるため、無意識に「に」を補い、本来と違う意味で理解してしまうのだそうだ(YouTube文部科学省チャンネル・ことば食堂)▼「情け」を辞書で引くと、人情や思いやり、慈愛といった言葉が見つかる。困っている人がいたら助けてあげたい。人としての素直な感情であり、大切にしたい美徳である▼熊本地震の発生から1カ月が過ぎた。被災地では学校が再開されるなど復興の足音も聞こえてくるが、元の生活に戻るには時間がかかるだろう。復興への道のりを例えるなら「旅は道連れ世は情け」であろうか。なだらかな道ではないが、被災者に寄り添う道連れが多ければ心強い。支援の仕方もいろいろある。息の長い「情け」が必要だろう▼無論、災害はいつ、どこで起きるか分からない。誰もが被災者になりうる。先の東日本大震災、他の災害を含め、被災地に心を寄せることは、万一の災害に際しての教訓を得ることにもつながるはず。まさに「情けは人のためならず」である。

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