2018年07月20日付

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「特別警報」という気象情報が導入されたのは2013年8月。重大な災害の危険が差し迫っている時に最大級の警戒を呼び掛けるため発表される。11年3月の東日本大震災での津波や同年8月の紀伊半島大水害で従来の警報では危険性が十分伝わらなかったという教訓から設けられた▼大雨などの場合、「50年に1度」という表現が使われる。一生に1、2度あるかないかの確率である。それが近年は頻繁に聞かれるようになった。あまり「特別」ではなくなってきたことに不安を感じる昨今である▼特別警報ができたことで、それまでの警報への警戒感が薄れたようにも思える。自分に都合の悪い情報を過小評価してしまう「正常性バイアス」という心の働きである。本来は警戒を促すはずの警報が逆の効果となっていないか▼科学技術の進歩で気象情報も精度の高い予報や分析が可能になってきた。天気予報もピンポイントで知ることができる。とても便利ではあるが、そうした情報が災害時に判断を遅らせるようなことがあってはならない。「まだ警報だから大丈夫」と思うのは非常に危険である。手遅れになる可能性がある▼災害から身を守るためにはやはり早め早めの行動が大切だろう。その意味では注意報、警報の重要性はむしろ高まっていると言える。いくら予報の精度が上がってもそれを受け取る側の行動に結び付かなければ無意味になる。

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