高島藩士採集押し葉押し花 国内最古正式発表

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1719(享保4)年に大阪・天王寺で採集されたサトザクラの葉(左側)やクスノキの葉(右側)

諏訪市と国立科学博物館(東京)は9日、同科学博物館で会見し、旧高島藩士が約300年前の江戸時代中期に採集し、諏訪市内の子孫が引き継いだ押し葉や押し花が、採集時期などの記録が残り現存するものとしては国内最古とみられると正式発表した。大坂勤めを命じられた高島藩主に随行した際に集めたと説明。押し葉や押し花は今月21日~9月9日に国立科学博物館で、9月15日~10月14日に諏訪市博物館で展示する。

市などによると、植物を包んであった和紙に書かれた文字から、旧高島藩士の渋江隼之丞(のちの民右衛門古伴)が、大坂城の警護を命じられた4代藩主諏訪忠虎に随行した際に採集したとみられる。隼之丞は18歳ごろで小姓だったという。

押し葉や押し花は計25点で、植物の種類はほぼ判明しているものも含めて15種ある。採集年代は明確なもので1719(享保4)~24(同9)年。最古の19年は7点で、大阪・天王寺で採集されたサトザクラやクスノキの葉のほか、大津市・三井寺で採集したサクラの葉などがある。三井寺のサクラなどを包んであった和紙には「八月四日」という日付も記されていた。ほかに、クロマツの葉やウメの花なども確認された。

これらは1987年に諏訪市の渋江家で発見され、額装されたとみられる。市内に住む子孫が受け継ぎ、昨年10月に市博物館に寄贈した。博物館が国立科学博物館に調査を依頼した。

現時点で記録として残した目的は分からないが、科学博物館は、採集の記録と共に実物が残っていることが重要とした。原形をとどめるものが多く保存状態も良好という。

会見した佐藤安紀・国立科学博物館副館長は「大変貴重な地域の財産。価値を伝える活動に努めたい」、金子ゆかり諏訪市長は「冷涼で乾燥した環境の諏訪で貴重な資料が伝えられたことに必然性を感じる。現物を見て当時の空気や状況に思いをはせてほしい」と述べた。

隼之丞の子孫で会見に同席した渋江喜久夫さん(70)=諏訪市出身、東京都中野区在住=は「最初に見つけた時は重要なものとは思っていなかったので、びっくりです」と感激していた。

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