命救う手伝いを 骨髄バンクドナー登録推進へ説明員養成

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ドナー登録や説明員登録を呼びかける笠原さん

ドナー登録や説明員登録を呼びかける笠原さん

白血病などの血液の病気の治療に、有効とされる骨髄移植や末梢血幹細胞移植。だが、県内では、患者に骨髄などを提供するドナーの登録率が低調気味だ。県は、ドナー登録の周知などを担う「骨髄バンクドナー登録説明員」の不足が要因とみて、人材確保に乗り出した。28日に日本骨髄バンク(東京都)による説明員養成研修会を松本市内で開くなどして、心ある人に担ってもらい、患者を支える体制を整えたい考えだ。

諏訪市中洲の笠原千夏子さん(41)は、説明員の1人だ。主な活動の場は、日赤の献血会場。ボランティアで県内を回り、献血で訪れた人にドナー登録をPR。関心のある人には、骨髄を提供するまでの一連の流れを説明する。登録する上での注意点や心構えを伝え、理解の徹底を図る。

活動を始めたのは、今年に入ってから。友人がドナー登録したことに後押しされ、自主的に動き始めた。実は、同バンクの研修を受け、説明員の資格を取ったのは約2年前。関係機関から誘いがかかるのを待っていたが、声掛けは全くなかったという。

背景には、県内で説明員活動の体制が整っていないことにある。県が把握している説明員は、笠原さんを含め、わずか2人。他県では、関係機関と連携し、自主的に活動しているグループもあるという。笠原さんは「研修を受けるので、医療に関する知識は不要。多くの人に説明員になってもらい、ゆくゆくは自分たちで活動できるようになれば」と願う。

笠原さんを突き動かすのは「今度は人を助ける側に回りたい」との思いだ。慢性骨髄性白血病の元患者。2013年に骨髄移植を受け、社会復帰した。ドナーは弟だった。兄弟姉妹間で、白血球の型「ヒト白血球抗原」が適合する確率は、4分の1。「奇跡だと思った」と振り返る。近い将来、数値そのものが少子化で形骸化することも懸念される。さらに血縁関係のない人同士では、数百から数万分の1にまで激減してしまう。

県内でのドナー登録率は、都道府県別で全国最低。3月末時点で、登録対象となる20~54歳の県民1000人当たり登録者は4・22人の割合。全国平均(8・10人)の半分でしかない。日本骨髄バンクによると、4月末現在、国内で移植を待つ患者は約1500人(県内22人)。近年、移植を受けられる人は6割程度にとどまるという。

笠原さんは闘病生活を経た今、こう断言する。「いまだに持たれがちな『白血病は死の病気』というイメージを変えたい。それには多くのドナーが必要。その分だけ、多くの人の命が救われる」。

県は研修会の参加希望者を20日まで募集するほか、日本骨髄バンクも随時、説明員やドナー登録希望者を募っている。問い合わせは県保健・疾病対策課(電話026・235・7150)へ。

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