2018年8月27日付

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2日間3試合で計413球を投じたエースにナインが駆け寄り、マウンドに歓喜の輪ができた。連投・熱投と言えば高校野球の夏の甲子園が記憶に新しいが、これは10年前の北京五輪でのシーン。ソフトボール・上野由岐子投手の魂の投球だ▼歓喜の瞬間と共に忘れられない場面がある。次期五輪でソフトは正式競技から外れることが決まっていた。表彰式後、ボールを並べて「2016」の形が作られ、日本、米国、豪州のメダル国の選手が囲んだ。16年五輪での復活へ強い願いを込めた▼北京五輪の前年に伊那市で発足した小学生女子の「アルプスい~なちゃんソフトボールクラブ」。一昨年の県大会で優勝するなど力を付けてきた一方、選手数は最盛期の半分になったという。状況が似たチームは多いと聞く。少子化などもあるだろうが、五輪競技からの除外に伴う注目度の変化も響いたように思う▼東京五輪でソフトボールが帰ってくる。伊那スタジアムでは今月、野球チームと共に、小さな子たちにソフトの楽しさを伝えるい~なちゃんクラブの姿があった。五輪復帰の「風」頼みだけでなく、自らで仲間を増やす努力をする▼東京五輪のソフトボールは全競技の先陣を切って7月22日に福島で開幕。上野投手はその日に38歳の誕生日を迎える。世界的な普及もソフト界の課題だ。競技の魅力が五輪の舞台から、日本各地から世界に伝わることを願う。

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