2018年8月29日付

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一つの製品にはさまざまな技術が詰まっている。企業間競争に勝ち抜くための知恵の結集。開発や研究の分野は全くの畑違いではあるけれど、試行錯誤の末に生み出されたのだろうと推測する▼中小企業の役員の話や工場見学に接する機会を得た。ある経営者は海外の工場で生産の一部を担っているものの、「メイド・イン・SUWA」にこだわっていると強調し、地元でものづくりに懸けてきた自負をのぞかせた。見学していた都内の理系学部の学生も微細の部品が出来上がる工程を興味津々の様子で見つめていた▼諏訪市の丸安精機製作所が企業連携で製品化した筆ペン「万年毛筆」が日本文具大賞の優秀賞を受賞した。取締役の長峰偉紘さんが「小さな会社でも受賞できた。地域が盛り上がるきっかけになれば」と話していたのが印象深かった▼工業統計調査によると、1991年に1兆円規模だった諏訪地域の製造品出荷額は、四半世紀後の2016年に5500億円台と半分近く減少している。こうしたデータは、今回諏訪湖周3市町の合併協議会設置の話が持ち上がった背景にもなった▼数字の裏付けは将来のまちづくりに欠かせない。ただ、数字だけを見ると、地域の活力が失われていると受け取りがち。個々の企業にはキラリと光る技術が豊富にある。長年培った技術力が地場産業を支えていることを製造現場を目の当たりにして再認識した。

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