伊那市長谷保育園木製遊具 老朽化で取り壊し

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老朽化により9月1日に取り壊される長谷保育園の木製遊具。部材の一部を保管して来年1月、親子で木工品を作る

20年間ありがとう、いっぱい遊んだよ-。伊那市長谷保育園の園庭にある大型の木製遊具が、老朽化に伴って9月1日に取り壊されることになった。クジラのような屋根をした現園舎が新築された1998年に、当時の長谷村商工会青年部が「園児たちを喜ばせたい」と手作りした。園では部材の一部を保管し、親子での木工品づくりを計画。思い出の詰まった木製遊具を形にして残す。

滑り台やネット、くねくねの一本橋も備わる遊具。園児は「くじらの森」と呼び「くじらの森で遊ぶの大好き」と駆け回る。「海賊船やおうちに見立てて『ごっこ遊び』をしたり、ネットに寝そべって空を見上げたり。いっぱい遊びました」と保育士たち。木製遊具との「お別れ」を伝えられた年長児らは、これまで以上に「くじらの森」で遊んでいる。

青年部の創立20周年と園舎の新築が重なり、記念事業で製作・寄贈した。当時の部員11人が仕事が終わってから園庭に集まり、腐りにくいヒバ材で組み立てた。部長だった村上司さん(59)=長谷非持=は「完成まで3カ月掛かったと記憶している」と言う。

遊具の安全基準の見直しで使用を制限した時期もあったが、補修や転落防止のアクリル板を付けて再開させた。透明の板には当時の園児がたくさんの絵を描き、また遊べる喜びを表した。だが、20年が経過して下部の傷みが目立つようになり、遊具点検で安全性が認められなくなった。

解体・撤去は保護者会や長谷小PTA有志、溝口未来プロジェクトが担う。木工品づくりには県森林税の木育事業を活用。来年1月の保育参観の日に行う計画でいる。

「園庭の隅から長谷の子たちを見守り、一緒に歩んでくれました。遊具にも当時の部員の皆さんにも感謝の気持ちでいっぱい。取り壊すのは心苦しいですが、形を変えて思い出に残るようにしたい」と原春美園長。村上さんは「20年も遊んでいただいた上、形にして残してもらえてうれしい。作ったかいがあった」と話している。

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