信州の特色ある縄文土器 158点県宝指定答申

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県文化財保護審議会は29日、県内で出土した縄文土器のうち、顔面や動物の装飾などがある158点を「信州の特色ある縄文土器」としてまとめて県宝に指定するよう、県教育委員会に答申した。八ケ岳西麓や天竜川流域の出土品が中心で、全県的な考古史料の広域指定は初めて。信州で発達した縄文文化の象徴として特徴付けし、保存活動や観光資源として利活用を進めていく。県教委9月定例会で正式に承認される見通しだ。

指定するのは立体的装飾が発達した縄文時代中期(約4000~5000年前)の土器群。顔を表現したような顔面装飾や、蛇やカエル、獣などの動物装飾のほか、土偶が付いたり抽象的な文様や造形に大きな特徴を持っていたりする6種別に分類できる。所蔵する18市町村から推薦を受けた約600点から、状態や特徴がはっきりした土器を指定。今後も調査を続け、追加指定を検討するという。

全158点のうち諏訪地方の出土品は約62%、上伊那地方は約14%を占め、塩尻や木曽、佐久地域にわたる広域的な指定。諏訪地方からは顔の装飾が把手にある榎垣外遺跡(岡谷市)の「顔面把手付深鉢形土器」、釣手に描かれた前尾根遺跡(原村)の「顔面装飾付釣手土器」などが指定される。

審議会は今年1月の諮問を受け、対象となった土器すべての現地調査を行った。審議会委員の会田進さん(71)=原村=は「信州で発展した縄文文化の代表で、世界的な文化遺産として後世に残す価値がある。広域的に指定することで信州の特色としての位置付けがはっきりした」と述べた。

審議会では他に、県宝に旧小田切家住宅(須坂市)と千葉家文書(下伊那郡阿智村)、県有形民俗文化財に長野市立博物館所蔵の小正月関係資料コレクション、県史跡に座光寺の石川除(飯田市)を指定するように答申した。併せて、枯死が確認された泰阜の大クワ(同郡泰阜村)を県天然記念物の指定から解除するよう答申した。

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