有毒植物の誤食 疑問感じたら採取しない

LINEで送る
Pocket

この春、県内で毒性のある植物を食べたことによる食中毒事故が相次いで起きている。山林や身近な畑にある有毒植物を食用の山菜や野草と間違えたケースがほとんどだ。事態を重くみた県は、植物を対象とした「食中毒注意報」を全県に発令し、注意喚起している。山菜採りは例年6月にかけて盛んだが、少しでも疑問に感じたり、よく分からない植物は持ち帰らないようにしたい。

4月に入ってから、県内で食中毒事故が続けて3件発生した。計17人がおう吐や吐き気、めまいなどの症状を訴え、病院に救急搬送されている。県食品・生活衛生課によると、統計を取り始めた1976年から県内で発生した有毒植物による食中毒は18件に上る(5月20日現在)。発生時季は山菜取りシーズンの4~6月が多く、患者数は計67人を数える。

今季で目立つのは、有毒で知られるスイセンを食用のノビルやニラと間違え、誤食した食中毒が続けて2件発生していることだ。

5月6日には、伊那市内の小学生10人と女性教諭が校庭の土手に群生していたスイセンをノビルと思い込み、昼食時に球根部分を加熱して食べたことで、吐き気などの症状が起きた。4月24日には、中野市で食用のニラと間違え、煎餅にして食べた家族4人が食中毒になった。

スイセンによる食中毒事故は長野だけでなく、全国でも多発している。山形、兵庫、熊本のほか、石川県内では農家がニラと誤って出荷したため、購入した4人が吐き気などの症状を訴えた。

多年草のスイセンは、観賞用として広く一般家庭の庭先や沿道などによく見られる。葉の部分がノビルやニラに似ているため間違えやすいが、臭いはない。ニラは独特の刺激臭があり、ノビルにはネギのような臭いが鼻をつく。簡単に判別できる一つの方法として覚えておきたい。

春先から気温の高い日が続いた影響で、例年に比べ植物全般に生育が早いという。このため山菜との見分けがつきにくく、全国的に有毒植物による食中毒が多発している―との指摘もある。木曽町では5月2日、有毒のバイケイソウによる食中毒も起きた。北海道ではイヌサフラン、秋田ではトリカブトを誤って食べた2人が中毒症状を訴え、命を落としている。

おすすめ情報

PAGE TOP