アツモリソウ再生会議10周年 活動報告会

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富士見町と伊那市にまたがる入笠山の希少植物「釜無ホテイアツモリソウ」の保護、復活に取り組む富士見町アツモリソウ再生会議(中山洋会長)が今年度、発足10周年を迎え、節目を記念した活動報告会を21日、町コミュニティ・プラザで開いた。同会議メンバーや地域住民ら約70人が参加し、絶滅寸前で「幻の花」と言われた釜無ホテイアツモリソウの再生の歩みを振り返った。

同会議は町と町内の有識者、県希少動植物監視員、入笠ボランティア協会、富士見高校、食品メーカー・ニチレイなどで構成。入笠山に自生する釜無ホテイアツモリソウが絶滅寸前となった2006年に設立し、自生地の保護と、再生に向けて種から株を育てる技術の確立に乗り出した。

当時は自生地に4株しか確認できず、自然結実は不可能とみられていたが、自生地の保全と監視、人工交配に取り組んだ結果、昨シーズンは自生地で33株、花数は過去10年で最多となる24個を確認した。

07年から4年間、種から無菌培養で株を育て開花させる人工増殖の取り組みを行い、約3万5000株を育てた。現在まで生き残った株は約2割だが、一昨年、このうちの3株が初開花。昨年は15株、今年は倍増の30株以上が開花する見通しとなった。13年から増殖を再開し、新たに3000株を育苗している。

報告会ではこうした活動をメンバー2人が映像を交えながら講演。同会議の「評価と課題」をテーマにしたパネル討論では、保護活動に携わる山形大の横山潤教授、岩手県環境保健研究センターの小山田智彰上席専門研究員、県環境部の宮原登自然保護課長、中山会長、ニチレイの渡部一夫さんが意見を交わした。

「住民の熱意と企業のバックアップによって大きな成果を生んだ」という評価のほか、今後の課題として、株を人工増殖で増やし開花させる技術の向上を挙げる意見も。自生地の復活に期待する声もあった。

中山会長は「ニチレイやヨドバシカメラなど企業の協力と学識者や国、県の指導を受けながら活動し、地道ではあるが一歩一歩前進することができた。(今後も)育種技術や開花率向上に向けて努力したい」と話していた。

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