見直し視野に対応協議 茅野市のふるさと納税

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故郷や応援したい自治体に寄付をすると、住民税などの控除が受けられる「ふるさと納税制度」。多くの寄付を集めようと寄付者に贈る自治体の返礼品競争が加熱する状況を受け、野田聖子総務相が今月、返礼品を地場産品とし、調達価格を寄付額の3割以下とする通知を受け入れない自治体について、制度の対象外にできるよう見直しを検討する方針を打ち出した。諏訪地方では、茅野市が地場産品でない品物を返礼品としているとの指摘を受け、見直しを視野に対応を協議している。

総務省は、従来の通知では限界があるとみて、より強い措置の検討に入った。通知を守らない自治体をふるさと納税の対象から外し、寄付者がこれらの自治体に寄付をしても住民税などの控除を受けられないようにする方向だ。年末の与党税制調査会の議論を踏まえ、来年の通常国会に地方税法改正案を提出し、早ければ4月からの適用を目指す。

茅野市は2008年の制度開始以降、高額な返礼品で寄付を集める手法は制度本来の趣旨を損なうとして否定的だったが、他市に寄付した市民の税控除額が寄付額を上回る”赤字状態”に陥ったことから、16年9月に返礼品を拡充。総務省の通知を受け、17年4月に2~4割台だった返礼率を全品平均で3割以下に、今年7月には全品それぞれ3割以下とした。

総務省から今回指摘されたのは、市内企業が輸入販売する洋酒で「地場産品ではない」とされている。市は「ものづくり企業が事業を多角化して構築したネットワークの成果物。単なる横流しでなく品質に責任を持って販売している」と反論するが、国の動向をみながら、早々に対応を検討する方針だ。

一方、洋酒は100品目余りある同市の返礼品のうち、7割超の寄付者から選ばれている”稼ぎ頭”でもある。仮に洋酒を外せば「寄付額は確実に減る方向になる」という。返礼品を見て寄付をする人にとっては、パソコンや腕時計、家具など完成品を製造する企業が立地する自治体や、希少な肉や魚介類が提供できる地域の存在感が増すことになり、自治体間の格差が拡大するとの指摘もある。

ふるさと納税を担当する市地域戦略課は、地域課題を解決する自治体の事業に寄付を募る「ガバメント クラウド ファンディング」や企業版ふるさと納税の活用など、「返礼品だけではない新たな寄付のメリットを、知恵を絞って考えていかなければいけない」と話す。

寄付者の関心を「返礼品」から「地域の課題解決(使い道)」へ向けられるか。選ばれる立場にある自治体の姿勢が改めて問われている。

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