2016年05月25日付

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7年目ごと行う諏訪大社御柱祭が終わり、週末の境内は四隅に建てられた柱を一目見ようと多くの人でにぎわう。御柱取材に携わり、伝統ある大祭の「経験」を自身がつなぎ、さらに次世代につなごうとする氏子の姿勢が印象に残った▼下社里曳きでは一般氏子が大勢柱に乗る姿が見られた。数十人が柱の上から掛け声を上げて楽しげな様子。「動き始めのときは怖かったけどだんだんわくわくする気持ちになった」と小学生の男子。「こういった経験が次の祭りの参加につながる」と曳行関係者は言う▼上社里曳きでは諏訪市豊田の100歳の男性に出会った。上社で最も太い「本宮一」を96年ぶりに担当した同地区。最近足が弱くなってきたが生涯2回目の本宮一なので曳きたいと出掛けた。その元気な姿に驚いた。家族にうかがうと、「御柱と聞いて元気が出たのでは。やっぱり諏訪の男なんですね」▼下社山出しの見せ場の木落しで先端に乗る「ハナ乗り」を務めた男性。無事に乗り切った後、大役を任されたことに感謝しつつ「自分の経験で得たものを後輩に伝えたい」と話した▼曳行では「よいさ」とひときわ大きな声を響かせる、同じ少年野球チームに所属するグループに出会った。仲間と参加したことは思い出に残るに違いない。子どもから年配者まで同じ巨木を曳く祭りの「年輪」は、人々の記憶と身体に刻まれ、重ねられていくと感じた。

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