インタビュー 県原爆被害者の会会長藤森俊希さん

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オバマ米大統領が現職の米大統領として初めて27日に被爆地・広島を訪問する。県原爆被害者の会会長で日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の藤森俊希さん(72)=茅野市湖東白井出=は、2009年のプラハ演説で提唱した「核兵器なき世界」に進展がないと指摘。核兵器廃絶に向けて「大統領が何を語るのか見届けたい。プラハ演説を一歩進める機会にしてほしい」と期待する。被爆者として訪問や核軍縮進展への思いなどを聞いた。

―オバマ米大統領が被爆地・広島を訪問する。

(原爆投下を承認した)トルーマンから数えて歴代大統領は12人。初めて広島を訪れるオバマ大統領の決断には敬意を表するが歓迎ムード一色とはいかない。被爆者は地獄の体験をした。それでも報復ではなく「再び被爆者をつくるな」と訴えてきた。被爆者の話を聞いた上で「核兵器なき世界」に向けたメッセージを発信してほしい。広島で何を語るのか見届けたい。

―昨年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で最終文書案が採択されなかった。核軍縮には何が必要か。

核兵器廃絶は圧倒的多数を占める世界の世論になっている。核兵器の影響は国境を越え、どの国も被害者を救援する術を持ち得ていない。核兵器を使わないことが人類の利益だがNPTでは米英カナダの反対で合意できなかった。

大統領は「核兵器なき世界」を訴えてノーベル平和賞を受賞した。プラハ演説では「核兵器を使用したことがあるただ一つの核保有国として行動する道義的責任がある」と言ったが、今も核兵器を使う可能性を保持している。広島訪問を機に「道義的責任」を実行し、国連多国間核軍備撤廃交渉の前進に関する作業部会への参加や、包括的核実験禁止条約の批准を実現してほしい。

―日本政府や国民に訴えたいことは。

唯一の被爆国である日本の政府が核兵器禁止、廃絶の先頭に立っていない。被爆者としては屈辱的な状況だ。日米両国が一緒に立ち上がり、先頭に立つことを願っている。誰もが今も被爆する可能性を持っている。そのことを忘れないでほしい。

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