宮坂製糸所 トルネードシルクのジャケット

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完成したトルネードシルクの生地で仕立てたジャケットを披露する宮坂社長

岡谷市郷田の宮坂製糸所(宮坂照彦社長)が、自社開発の「トルネードシルク」で織った生地を使って初めて仕立てたジャケットが5日、同社でお披露目された。精練していない無着色・無漂白の極太絹糸の素材そのものを生かした淡いクリーム色のジャケットは、「ジーンズにも合わせることができる」(高橋耕一専務)などカジュアルさが魅力。トルネードシルクを開発した宮坂社長は、「ジャケットを発表することで、岡谷シルクの独自性と素材としての価値や可能性を発信していきたい」と意気込んでいる。

トルネードシルクは、10年前の2008年6月に宮坂社長と大日本蚕糸会の連名で特許を取得した、節が多く、かさ高でざっくりした糸。通常の繰糸に使えない繭(選除繭や繰糸の過程で糸口の出ない繭)も利用できることが特徴という。

着物地など高級なイメージが定着している絹糸に対して、「もっと庶民向けの糸が作れないか」という要望があり、同社では12年ほど前に「銀河シルク」を開発。一度に300個以上の繭から張力をかけずに枠に巻き取る繰糸法で取った糸で、敷物や夏物の帯地などに使われている。トルネードシルクは銀河シルクにヒントを得て、投入した繭の回転速度を上げるなどの工夫から生まれた。

同社では、この絹糸を使って「トルネードシルクラグ」と名付けたマルチマットを商品化。軽くて吸湿性があり、蒸れにくく、夏は涼しく冬は暖かいことが特徴で、敷物やマット、浴用タオル、枕カバーなどさまざまな使い方を提案している。完成したジャケットは、トルネードシルクの可能性を広めるために中小企業庁の補助金を活用して製作。同市で手織りの絹製品づくりに取り組む岡谷絹工房で織った生地を、同市川岸上の池上洋服店の池上竹志さんが宮坂社長のサイズに合わせて仕立てた。

出来上がったジャケットは今後、大日本蚕糸会のジャパンシルクセンターなどで展示していく予定。宮坂社長は、「トルネードシルクを一つの素材として、多くの人に独創的な使い方をしてもらえれば開発者としてうれしい」と顔をほころばせ、「トルネードシルクについては、工場内に織りまで行う一貫した生産ラインを作りたい」と、生産に力を入れていく考えも示した。

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