陣馬形山頂で縄文人生活 土器片見つかる

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多くの人でにぎわう陣馬形山キャンプ場

陣馬形山頂に遺跡があることをご存じですか?―。中川村の陣馬形山(1445メートル)山頂付近の埋蔵文化財「陣馬形山頂遺跡」で、新たに縄文時代前期末(5500年前)の土器片1個が見つかった。同所が遺跡と分かったのは約50年前、山頂付近から縄文時代の遺物が多数出土したのがきっかけ。以来本格的な発掘はされておらず今回の土器片の発見を機に、関係者は「ここが遺跡だと改めて知ってもらえれば」と期待している。

遺跡と認知されるようになったのは1971年に実施した山頂避難小屋建設の際、縄文時代早期(9000年前)の土器や矢じり、焼土、木炭片がたくさん見つかったのが始まり。同じような高地性の遺跡は珍しく、伊那谷には標高1200メートルにある萱野遺跡(箕輪町)がそうだ。長野県史によると、出土品や地形などを総合的にみると「縄文時代の移動ルートの中のキャンプサイトとしての性格が想定される」と記されている。

今回の発掘調査は、村が山頂避難小屋東側に新しいトイレを建設するのに先立ち、9月5、6の両日に実施。担当した村歴史民俗資料館学芸員の米山妙子さんによると、地表面約40センチ下のソフトローム層上面から縦4センチ、横3センチの土器片が見つかった。土器は深鉢の一部と考えられ、形式は「諸磯C式土器」という。

陣馬形山頂遺跡について記述がある村誌によると、以前見つかった遺物の所在は現在不明という。米山さんは今回の土器片の存在が「この地に縄文人の生活があったことを裏付ける、現存する唯一の痕跡になるのでは」と期待。また「高地性の遺跡は珍しいので今後も多くの人に注目してもらえれば」と話している。

陣馬形山頂は現在、全国でも知られる人気のキャンプ場になっている。施設を管理する村は「縄文時代と同様に、今の時代もキャンプ場としてにぎわっていることに歴史ロマンを感じてもらえれば」と利用を呼び掛けている。

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