岡谷駅南側土地開発「白紙」に 愛知の福祉法人撤退

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愛知県の社会福祉法人「サン・ビジョン」が、岡谷市のJR岡谷駅南側で建設を予定していた特別養護老人ホームを主体とする複合ビルの整備事業からの撤退を市に伝えていたことが25日の市議会全員協議会で明らかになった。今井竜五市長は「(撤退を)承諾せざるをえない」と述べた。民間活力を導入した駅南側の土地開発は「白紙」となった。工事費の高騰などが要因という。

計画していた複合ビルは、特養のほか、グループホーム、通所介護施設、有料老人ホーム、保育所、共同住宅、地域交流センターなどが入る建物で当初計画では13階建て、その後12階建てに変更した。特養は、諏訪広域連合の第6期介護保険事業計画(2015~17年度)で岡谷市に割り当てられた87床のうちの36床と、同法人が運営するグレイスフル下諏訪の割り当て分から移す54床を合わせた計90床を整備する予定だった。

当初の開所予定時期は16年4月だったが、15年1月に工事費の高騰などを理由に着工を延期していた。同法人事業創設戦略室によると、過去の実績から事業費を30億円としたが、入札では約18億円上回り、その後、価格交渉や発注方法の見直しを繰り返したが、「早期の事業着手は不可能と判断した」という。

市は、駅南側の公有地を民間業者に売却して駅周辺のにぎわいを創出する拠点整備の方針を掲げ、2013年3月に公有地4250平方メートルを売却する入札を実施。入札には、にぎわい創出につながる土地活用の提案や3年程度以内の計画の実現などの条件を付けた。2事業者が参加し、同法人が3億3330万円で落札した。事業撤退に伴い、市土地開発公社が違約金を差し引いた2億6664万円で買い戻す。

駅南側の開発は「定住交流拠点」という基本方針を維持しつつも具体的な土地活用は仕切り直しとなる。特養の36床分の整備方針も「白紙」(宮澤順・健康福祉部長)の状態。定員60人の保育園も開設されなくなるため、今後の保育園整備にも少なからず影響を与えそうだ。

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