ホテル山善南館解体へ 白樺湖畔の大規模廃屋

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柏原農業協同組合が建物撤去の方針を決めた白樺湖ホテル山善南館=茅野市北山

茅野市郊外の白樺湖畔に残る大規模廃屋「白樺湖ホテル山善」の南館について、柏原財産区民で構成する地権者の柏原農業協同組合が19日、裁判所に建物収去命令の申し立てを行い、山善に代わって建物を解体する代替執行を行う方針を明らかにした。収去命令の手続きを経て、来年早々に解体工事に着手し、同年秋ごろをめどに更地にする計画。跡地利用は未定で「市と検討したい」としている。

山善は2007年3月に裁判所の破産開始決定を受け、10年6月に破産終結。法人登記も閉鎖された。買い手がつかず放棄された建物が、実体のない同社の所有物として残り、廃屋化。白樺湖の観光振興や景観にとって大きな課題になっていた。

市などによると、山善の建物は現在、柏原財産区が地権者となっている5階建ての本館(延べ床面積約6200平方メートル)と、柏原農協の土地に建つ地上6階、地下1階の南館(同約4360平方メートル)からなり、建築から40年前後が経過している。

財産区と農協は13年11月に白樺湖再生委員会を発足。14年11月の総会決議を経て、15年6月に建物の撤去と土地の明け渡しなどを求める訴えを地裁諏訪支部に提起し、同年10月の判決で全面的に認められた。

南館の解体は白樺湖の玄関口に位置し、湖に面して跡地利用の価値も高いことから決めた。今月14日の臨時総会には組合員(財産区民)64人が出席。反対意見はなく原案通り可決されたという。解体などの費用は1億~1億5000万円を見込み、財産区の特別積立金を充当する予定だ。

財産区と再生委の役員4人が19日に市役所を訪れ、総会の決定事項を柳平千代一市長に報告。柳平市長は「白樺湖再生の大きな一歩。財産区民の英断に敬意と感謝を申し上げたい」と語り、「跡地の有効活用に向けた計画づくりや県国への働きかけに取り組む」と支援の意向を示した。

両角喜文組合長理事(64)は「財産区民の理解を得て前に進むことができる。財産区民、再生委員、市の皆さんに感謝したい」とした上で、「廃屋がなくなることで白樺湖が良く見えて景観上もよくなり、利用価値が高まる。(跡地利用は)多くの皆さんの意見を聞きながら進めていきたい」と話した。

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